赤い狼と黒い兎Ⅱ
春架が倉庫中に響き渡るように大声で言った。
「今日は今までで一番デカい抗争になる。油断すんじゃねえぞ!!」
「「「「はいッ!!」」」」
いろんな色の特攻服が見えて面白い。黒もあれば白がある。赤があれば紫がある。…みんな派手だなぁ。
「傘下は主に援護に徹してくれ。同盟は俺らと一緒に来い」
「「はいっ!」」
いつも以上にやる気満々なみんな。けれど後ろで構えているmoonメンバーはいつも以上に静かだ。
…あたしが黙ってるからかな?従順すぎるみんなに、苦笑いが溢れそうだ。
「なんか…moon少なくねぇか?」
「それ、俺も思った」
横で龍希と向日葵の声が聞こえて、そっちを見た。向日葵いつの間に特攻服に着替えてたんだ…。
『やられた』
「え?」
静かに呟いた声が届かなかったのか聞き返され、溜め息をついた。