赤い狼と黒い兎Ⅱ



春架が倉庫中に響き渡るように大声で言った。




「今日は今までで一番デカい抗争になる。油断すんじゃねえぞ!!」

「「「「はいッ!!」」」」




いろんな色の特攻服が見えて面白い。黒もあれば白がある。赤があれば紫がある。…みんな派手だなぁ。




「傘下は主に援護に徹してくれ。同盟は俺らと一緒に来い」

「「はいっ!」」




いつも以上にやる気満々なみんな。けれど後ろで構えているmoonメンバーはいつも以上に静かだ。


…あたしが黙ってるからかな?従順すぎるみんなに、苦笑いが溢れそうだ。




「なんか…moon少なくねぇか?」

「それ、俺も思った」




横で龍希と向日葵の声が聞こえて、そっちを見た。向日葵いつの間に特攻服に着替えてたんだ…。




『やられた』

「え?」




静かに呟いた声が届かなかったのか聞き返され、溜め息をついた。



< 301 / 360 >

この作品をシェア

pagetop