赤い狼と黒い兎Ⅱ
こいつらは、幹部だ。総長と副総長は……まだあの部屋の中。
部屋のドアを睨んだあと、再び幹部に目を向けた。
『てめぇら幹部に用はねぇ。そこを退け』
「……ああ?」
「ここを通りたいなら、俺らを倒してみろよ?」
余裕のある笑みで挑発してくる3人にあたしはきょとんとした。
そのやられないという自信は一体どこから来るんだ?
可笑しくて、ニヤリと口角を上げると3人の顔からは笑みが消えた。
『ああ、いいぜ?お前らの相手をしてやってもいいが……生憎、俺の仲間が黙っちゃいねぇからな』
あたしの左右から数人が飛び出し、幹部3人の背後を奪い取る。
3人は驚愕のあまり、声も出てなかった。
『……上に行っちゃいえねぇ理由でもあんのか?』
そう聞くと3人はあかさまに顔を背けた。
「……テメェが上がっていいところじゃねぇんだよ」
「…けど、行きてぇなら行けよ?」
「言っとくけど、おれらの総長はそこら辺にいるへっぼい総長とはケタがちげぇからな?テメェなんかに、おれらの総長は殺られねえ…!」