赤い狼と黒い兎Ⅱ
あたしだって伊達に全国No.1を名乗ってるワケじゃない。
そんなことしたところで、全国No.1は名乗れない。悪名だけが知れ渡って、最後には解散するしかなくなる。
「…さっきの言葉、撤回して」
『……さっきの言葉?』
「…解散させるっていう言葉よ!!あたし達はこんなところで……っ」
ぐっとナイフを持っている手に力を込め、さっきとはまた違う目付きであたしを睨んできた。
…全国No.1っていう肩書きへの執着だな。
「こんなところで終わるワケにはいかないのよッ!!!」
そう叫び散らしてあたしに向かってくる。
……終わるワケにはいかない?
何を馬鹿な事を。お前達はあたしらに目を付けられた時点で…―――
『もう、終わってんだよ』
ニヤリと口角を上げ、右手を女に向かって突き出した。