赤い狼と黒い兎Ⅱ
最終章
倉庫につき、各々傷の手当をしていた。傷と言ってもかすり傷程度のものばかり。
「やー!!終わったな!」
「だなー!!これで静かになるって思ったらちょっと寂しいなぁ……」
「「喧嘩出来なくなるのはなぁ……」」
上から麻友美、春架、双子がそう言っていた。
…平和がどれだけ良いかわかってないなぁ。静かになっていいじゃんか。
「馨!終わった記念に走る!?」
興奮したように聞いてくる麻友美にあたしは苦笑いをした。
ほんと…走ることと喧嘩のことしか考えてねぇんだから……。
『みんなが帰って来たら、な』
「あ……」
ふっと小さく笑って言うと、麻友美は悲しそうな表情をした。
そんな麻友美の頭を撫で、あたしは幹部部屋へ向かう。