赤い狼と黒い兎Ⅱ
次の幹部候補の“柊瑚雨”ちゃんが、あたしのところに走り寄って来た。
瑚雨ちゃんは、名前はかわいいんだけど見た目が厳つい。
無数のピアスに着崩した服装。
まぁ、瑚雨ちゃんらしいっちゃあらしいけどね。
正義感も強いし。いい子だし。
『どした?』
「休んでていいっすよ?お疲れでしょう?」
こうやって気が利くところも、彼女の取り柄だ。
『別に大丈夫だよ。もうすぐ終わるし』
「そうですか…?」
にっこりと笑えば、不安そうに眉を潜める。