赤い狼と黒い兎Ⅱ



本人も、最初は嫌がってたけど説得したらしぶしぶ承諾してくれた。


「まだ至らないところがたくさんありますが…」って言ってたけど、そんな事全然ない。


湖雨はリーダーシップがあるし、あの子の周りには人がたくさん集まる。


それに…何よりも仲間を大切にする、正義感がある。なんの申し分もない。




「秘密ー?」

『秘密』

「すっげ気になるんだけど…。ま、いっか」




ふっと小さく笑ってビールを飲む唯兎。


その姿をじっと見つめていたら、唯兎の目線がこっちに向いた。


だから、にこっと笑ったら、むせた。




『……何でむせるの』

「やっ、だって…!」

『だって、何?』




背伸びをして、ぐっと顔を寄せるとまた真っ赤になる顔。


……何、酔ってんの?



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