赤い狼と黒い兎Ⅱ



赤くなった顔をみられたくなくて、唯兎の胸にもたれた。




「じゃー、俺も安心出来るねー」

『…今度はあたしが安心出来ないね』




そう言うと唯兎の動きが止まって、しばらく沈黙が続いた。


そしてバッと急に離される。




「心配!?」

『……は?』

「俺の近くに居ないから心配!?」




何を言い出すかと思いきや……。




『……まぁ、心配っちゃ心配?』




あたしより無茶はしない人だけど。……てか唯兎のキレたとこ見たことないな…。




「そうかー心配かー」

『……何でちょっと嬉しそうなの』




唯兎のニコニコと綻んでいて、あたしが怪訝な顔をしてもなおニコニコとしていた。


…何、こわい。



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