赤い狼と黒い兎Ⅱ



『……だからって無駄な怪我とかしたら怒るからね』

「大丈夫!絶対怪我しないから」




どこからその自信が湧いてくるのか知らないけど、とりあえず無駄な怪我はしないでほしい。




「あー…でも、」

『ん?』




あたしを抱きしめたまま空を見上げる唯兎。


……なんだろ?




「馨居なくなったら俺の後ろ守る奴が居ねぇな」

『……ほんとだね』




苦笑いをこぼして、ぎゅっと唯兎に抱きついた。


急なことにまた驚いてたけど。




『あたしの代わりに亜稀羅が居るよ』

「や、あいつは守るどころか逆に攻撃してきそう……」

『攻撃って……』




まぁ、なんだかんだ亜稀羅も唯兎のこと嫌いじゃないだろうし大丈夫だとは思うけど…。



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