赤い狼と黒い兎Ⅱ



「……これだから離せないよなぁ…」

『なに…?』




ぼそっと呟かれた言葉が聞こえなくて、聞き返すけれど唯兎はただニッコリと笑って顔を近付けてきた。




「俺も、だいすきってこと」





―――たくさんたくさん、いろんなことがあって。


でも、唯兎があたしのことをずっと信じてくれてたからあたしも好きなことが出来た。


たくさんたくさん無茶して、


たくさんたくさん傷ついて、


たくさんたくさん、救った。


あたしのやったことがすべて正しいなんて言えないし、偽善者っていうのもわかる。


それでも…あたしのやりたいことを、やっただけ。


大切な仲間と、大切な人と一緒に。




『ずっとずっと、一緒』




今度は、あたしが唯兎を支えて信じてあげるの。


今までの、恩返し。






         -END-
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