赤い狼と黒い兎Ⅱ
心配性のところはみんなと同じだな。
『ん。それに、もう来る頃だろう?』
「あっ、本当だ」
『シャッター開ける。』
瑚雨ちゃんにそう言うと、小さく頷き踵を返した。
『準備出来たか?』
少し声を張り上げてそう聞いた。
「オッケーです!」
「こっちもオッケーです!!」
あちこちからそう声が響き、あたしが右手を上げるとシャッターがゆっくりと開いた。
シャッターの向こう側には、何十人という数の人間。
男だけじゃなく、女もいる。
……いや。女の方が圧倒的に多いか?