赤い狼と黒い兎Ⅱ
舜の言う通り、今日のあたしは顔が綻んでる。
まぁ…楽しくないって言えば嘘になるけれど。
「かおちゃん、明るくなった」
『え?』
「表情が前より、柔らかくなった」
『……琳、舜』
あまり気にしてなかったな表情とか…。
人一倍表情や感情に敏感なこいつら。すぐに分かってしまうのかもしれない。
「それも朱雀のおかげなのかな?」
「どうなの?馨」
『……さぁ。どうかな。そうかもしれないね』
「曖昧な答えナシー!」
「図星でしょ?」
図星、かもね。残念ながらあたしにも分からない。