赤い狼と黒い兎Ⅱ
第2章
『………』
刻一刻と過ぎる時間。
1分と経たないうちにケータイを開いて時間を見ては閉じ、見ては閉じ、をさっきから何回も繰り返す自分。
……わざわざ昼下がりにしやがって、あのハゲ…。
しかも
「白昼堂々“黒狼”のバイクて来ないでくださいね。それこそ“捕まえて下さい”って言ってるようなモンですから」
とか言いやがって。それくらい分かってるっつーの!
わざわざご忠告どうも!って言ってブチったけどね。
「馨〜…」
「さっきから何?どーしたわけ?」
『………はぁ。』
今のあたしにはもう溜め息しか出てこない。