赤い狼と黒い兎Ⅱ
「馨さん!」
するとあたしに気が付いた下っぱくん(下っぱとか言ってごめんな)たちが走り寄って来た。
どうやら二日酔い者はいないみたいだな。さすが。
「お出かけですか?」
『ああ。XJあるか?』
「あっ、はい!ありますよ」
階段下にあるドアを下っぱくんが開ける。
と、そこにはカバーのかけられた1台のバイクが置いてある。
そのカバーをゆっくり外すと、漆黒のXJが姿を現した。
ずっと放置していたにも関わらずキラキラと綺麗に輝いていた。
「綺麗でしょ?」