赤い狼と黒い兎Ⅱ
とりあえずソファーに座らせ、戸惑う亜稀羅に隣に来るよう促した。
「俺、居ていいの…?」
『亜稀羅も居ないとダメなんだよ、これが』
「……うん?」
まぁ、意味分かんないだろうけど。これから話すからちゃんと。
『この紙袋にはそれぞれお前らの“服”が入ってる』
「買い物行ってたの?」
『いいから黙って聞けや』
「は、ハイ…」
あたしの殺気に当てられた深子はビクッと肩を揺らして、小さくなった。
うわぁ…八つ当たり…ごめんな深子…。
『ただの“服”じゃねぇ…。特功服並みに重みがあるモンだ』