赤い狼と黒い兎Ⅱ
あたしの読み通りで、みんなはそれぞれ紙袋から服を取り出した。
「うわ、鬼だっ!厳つい〜」
「あたし狼だ〜」
「馨ちゃん、この文字なぁに?」
「なんて書いてあるの?」
深子と磨子は初めて見る名前にそう聞いてきた。
あたしはふっと笑って、言った。
『“狼鬼”』
「…ろうき?」
『世直し組の新しい名前だ。あたしたちは主に夜活動だ。夜だけあたしらはWolfMoonから“狼鬼”へと変わる』
「鬼狼か…」
「野田も洒落た事すんなぁ〜?」
気に入ったなら別にいいんだけどね。
後で野田に電話しなきゃな。
そうして1日があっという間に終わった。