赤い狼と黒い兎Ⅱ
『あたしも筋トレやる』
「はっ?何言ってんの馨」
『筋肉つけたい』
「ダメダメ!馨はこのまんまじゃないと」
『何で?あたし筋肉ないんだよ』
そういうと腰当たりをぎゅっとして、自分の方に引き寄せる。
「女の子が筋肉質ってどーよ?お前…」
『うん?いいんじゃない?程よく筋肉があっても』
「(…ちょっとズレてる…)」
複雑そうな表情をする唯兎にあたしはハテナを飛ばした。
雑誌をテーブルに置いて大きな欠伸を溢す。
今日で欠伸は何回目…?
「そんなに眠いのか〜?」
『唯が温かいからね』