赤い狼と黒い兎Ⅱ
「寝ちゃうのか?馨」
猫みたいにスリ寄って来る唯兎。
くすぐったいけれど逆にそれが眠気を誘う。
『んー…』
「寝んなよ馨〜」
『ぅん〜…』
「………」
半分寝かけるあたし。それが不服な唯兎。
今寝ておかないとね?夜動けないから。
『んぎゃっ!』
ガブッ、と首筋の辺りを思い切り噛まれて痛みで頭が冴えた。
噛まれた首筋を片手で押さえて、唯を睨んだ。
『…何すんの』
「何?」
『はぁ…』
構ってあげられなかったのは悪かったって思ってるけど。