Love Story's+α



もう何十年になるのかしら。


私達は私の親から反対されてコソコソ会うしかなかった。


その場所が家の裏山の防空壕跡。


終戦後は誰からも忘れ去られ会うにはもってこいの場所だった。


「私達のひみつ基地ね」


なんて忘れないようにこの地図を描いて。


それから子どもが出来てやっと許されて。


でも幸せは長く続かず。


貴方は私の親が言ってた通り女にだらしなく女遊びが。


でも私は我慢したわ。


いつも最後には帰って来てくれたから。


だけどあの時は…


よりによってひみつ基地で会ってるなんて。


許せなかった。


私達の神聖な所に他の女なんて。


あの日、二人が会ってる所へ…


貴方達は慌てて私に謝ったわ。


だけどこの場所で抱き合うなんて、汚されたと裏切られた思いが強く気がついたら私は貴方を刺していた。


狂ったように何回も何回も。


貴方は驚いたような顔で…こと切れた。


相手の女は「きゃ~」と叫び声を上げ逃げて…


後を追ったら足を滑らせて谷底へ。


…よかった。


貴女の死に場所が其処で。


あのひみつ基地は神聖な私達だけの物だもの。



< 101 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop