Love Story's+α
「一服してお茶にしよう」
「そうね」
浴衣を机に置き
「もうすっかり夕方ね」
「そうだな」
窓の外はオレンジ色に。
「もうすぐ夏ね」
「また今年も暑いだろうね」
窓辺の椅子に座り紅茶を飲む。
ステンドグラスの嵌め込まれた古びた部屋に流れる穏やかな時間。
「お父さんまた田舎に行くの?」
「そうだな。お前はどうする?」
「そうね、あの人が帰って来たらお父さんを迎えがてらに行くわ」
「じゃあ一緒に行くか。旦那はいつ帰れるかは分からないから」
「そうね。じゃあお供します」
「あぁ」