Love Story's+α



そう、少女は旅の一座の踊り子


彼女の歌と躍りがあまりに素晴らしかったので、領主は彼女に


「これからは旅などせずにわしの為にだけ歌え、踊れ。そうすればどんな贅沢も想いのままじゃ」


仲間から引き離されて城に連れて来られた少女はどんなに宥めすかされようと脅されようと歌いもせず躍りもしませんでした。


領主は流石に怒り塔の天辺の部屋に閉じ込めました。


「この部屋を出たくば歌え、踊れ」


だけど少女は…


少女の亡骸の横には翼の折れた小鳥も死んでいました。


「ほら、ごらん。この娘は微笑んでいるようじゃないか」


みんながいいました。


そうです。


やっと自由になれたのですから。



< 135 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop