Love Story's+α
「約束通り来たよ」
藍色に蝶々模様の浴衣に赤の帯のお前が。
「女に化けたか?坊主」
「な、何を」
顔を真っ赤にして怒るお前を羽交い締めにして
「ククク…俺の為に毎年浴衣を着てくれるか?」
「えっ?」
お前を離し
「これから打ち上げるからよく見とけ。お前の為に上げるから」
川原に向かって歩く俺の背中に
「大好きだから~」
フッ
俺は振り向かず手を上げて
「分かってる」
今日、俺が打ち上げる花火はお前をイメージして作った花火
これから毎年作り続けるよ、お前の為に
*END*