Love Story's+α
明治元年十一月十五日
もう一年経つのね。
長いようで短い時間。
まるで私の恋と同じ。
――坂本龍馬――
坂本様、私は…佐那は坂本様とお逢いできて幸せでした。
坂本様、覚えていますか?
道場で父や兄にしごかれた日々を。
坂本様はすぐに逃げ出そうとなさって…
いつも私が見張り役で。
本当は誰よりも強いのに、いつもへらへらして…
でも今なら分かります。
本当の男の強さが。
あの頃は ずっと坂本様が私の傍にいて下さるものだと思ってました。
だけど…坂本様は一介の街道場で一生を過ごすには大きすぎました。
坂本様は、この日の本の行く末を見ていたんですね。