Love Story's+α
「ははは…そなたの方が余程この大和を見ている」
「皇子様」
「私は…女々しいな」
「皇子様」
………ぇ!
「み、皇子様、は、離して」
いきなり抱きしめられた。
「皇子様、人が」
「今だけ…この一瞬だけ…額田…」
「皇子様」
皇子様への思いが溢れる。
今だけ…
この一瞬だけ…
私の皇子様で…
――
―
…ぁ!
「だ、誰かが」
皇子様から離れて
「早くお行き下さいませ」
「……」
「皇子様…お願いでございます」
皇子様は一瞬強く抱きしめて…
去って行った。
後には皇子様の温もりだけが…
皇子様…
私には皇子様との思い出と十市がいます。
それで充分でございます。