Love Story's+α
…ッ
だ、誰?
誰かが…後ろから抱きついてきた。
こんな道の真ん中で
ち、痴漢?
こ、恐い!
「だ、だ…れか…」
「離すわけねぇだろ」
…ェッ!
「何で、別れるなんて言うんだよ」
「は、離して」
「いやだ」
「同情なんかいらないから!」
離してほしい。
貴方に縋り付く前に…
私が泣き出す前に…
「同情ってなんだよ?誰が誰に同情するんだよ」
「……」
「俺はお前が好きだから…愛してるから…惚れてるから…離さない。お前が嫌って言っても、離さない…離せない」
「ゥ…ゥゥ…」
涙が…溢れる。
私を胸に抱き頭を撫でてくれる。
「ど、どうして?い、今になって…言うの?」
「俺は、口下手だから…言わなくても、お前には伝わってると…」
「わかんないよ。好きって言ってもくれない。キ、キスだって私から言わないとしてくれない。そ、それも ふ、触れるか触れないようなキス。だ、抱きしめてもくれないから…私に さ、触るのも い、嫌なんだと…私から告白したから、可哀相に思って…つ、付き合ってくれてるんだと…嫌われてるんだと思ってたから…私から…自由にしてあげた方がいいんじゃないかと…」
「……」
「…ゥウゥゥ…」
涙が止まらない。
「お前を愛し過ぎて触れるのが…怖かった。お前を抱いたら…歯止めが効かなくなるんじゃないかとか…お前を傷つけるんじゃないかとか」
「ば、馬鹿~」
貴方の胸を拳で叩く。
「馬鹿、馬鹿」
と、繰り返し…
「愛してるから…お前だけ…絶対に別れないから…俺以外の誰の目にも触れさせたくないくらい愛してる」
「ウゥゥゥ~あ、愛…してる…わ、私も…貴方だけを…愛してるから」
………
……
…
貴方はずぅーと私を抱きしめてくれた。
今までの分を取り返すように…
強く…強く…
ねぇ?
二度と離さないでね。
ずぅーと…
抱きしめていてね。
愛してるから…
*END*