Love Story's+α
先に渡った友達は
「お~い!もう遅くなったから先に帰るぞ~」
って怒鳴って行っちゃった。
「じゃあ行こうか」
「うん」
先にその子が吊り橋に足を掛けたけど…
そっと手を握り
「暗いから手を繋いでくれる?」
って言ったら
「仕方ないな~」
なんて言いながら、でもちょっとホッとしたように手を繋いで足を踏み出した。
夕方の風に煽られて吊り橋はゆれる。
その子の顔は見えないけど繋いだ手に力 が入り緊張してるのが分かる。
「前に住んでた所ってどんな所?こんな田舎じゃないよね」
話しをしている方が気が紛れると思い
「うん、都会。こんなに空気も綺麗じゃないし星もよく見えない。てか、みんな が下を向いて歩いてる。空を見上げるなんてなかったかも」
「へぇ~そうなんだ。じゃあ全然違うね。ねぇ」
「うん?」
「此所、嫌じゃない?町みたいに利じゃないし、こんな吊り橋あるし」
やっと半分まで来た。