Love Story's+α
そんな高校二年生の夏休みのある日
町へ買い物へ行っての帰り
バスから降りて歩き出すと急に雨が
急いで帰ろうと近道のこの吊り橋を渡ってた時、反対側から渡って来た人が。
「ずぶ濡れだな。早く入れ」
私の腕を引き寄せ傘の中へ
「いいよ。私はもうびしょ濡れたし。駆 一郎(クイチロウ)も濡れちゃうから」
離れようとすると
「いいから」
また引き寄せられ
「送っていくから」
「…ありがとう」
久しぶりだな。
駆一郎とこうしてこの橋を渡るなんて。
「ん?どうかしたか?」
「うん。何だか思い出しちゃった」
「何を」
「初めて駆一郎と此所を渡った時のこと」
「お前、嘘ついたんだよな」
「嘘?」
「ん。夕方だから暗いし怖いから一緒に渡ってくれって」
「……」
「本当は俺がビビってたのが分かってたからあんなことを言ったんだろ?」
「忘れた」
「ふ~ん。俺は覚えてる」
「……」