Love Story's+α
「なぁ」
「うん?」
橋の真ん中で足を止め
「結婚…しようか?」
「えっ?」
これって…プロポーズ?
「来年からお前も此所の図書館に勤めるんだし」
「……」
私が何も言わないでいると
「キ、キャァ~」
「『はい』って言わないならもっと揺らす」
また揺らし出した。
「や、止めてったら」
「なら『はい』って言え」
また上から目線だし。
「薫子」
「分かった。分かりました。結婚します 、駆一郎と」
駆一郎は「フッ」って笑い私を抱き寄せて
「小学校のあの時から何年待ったんだろうな。俺マジに忍耐強いわ」
耳元で囁いてる。
フフフ…
『忍耐強いわ』っていつも吊り橋揺らして脅迫してるくせに。
それが貴方の愛情表現なの?
何だか屈折してるよ。
きっと子どもの頃のあの出来事からだよね。
私に弱味を見せたから。
フフフ…
男はいつまでも子どもなんだね。
でもこれからは…
この吊り橋は二人の時は渡らないようにしようか?
そしたらもう私に無理強いは出来なくなるよ。
それとも今度からは…
私が揺らそうかしら。
ねっ!
駆一郎
*Fin*
【キーワード「吊り橋」と二人の名前はプレゼントしたご本人より頂きました】