Love Story's+α



――



あれっ?

ヒロがいない。

何処へ行ったのかしら?

トイレかな。

――



でもまだ戻って来ない。

どうしたんだろう。

他のメンバーに聞こうと足を踏み出した時

「乃亜君」

「社長」

「お疲れさん。本当によくやってくれたよ」

「社長」

「君がいなかったらアイツ等の今日はな かった」

「……」

「これからも『G'power』を…ヒロを支えてやってくれな」

「社長」

社長は私とヒロのことを知ってる。

だからさっきのシンの話しじゃないけれど、もしかしたら『別れろ』くらい言わ れるのかと覚悟はしていたけれど反対されるどころか側にいてやれって。

「社長 ありがとうございます」

「礼を言われることなんて何もないさ。 第一引き離したりしたらヒロは辞めるっ て言い出しかねない」

「社長」

「あ、そうだ。乃亜君、一つ頼みがあるんだが」

「はい」

「ライヴ会場に忘れ物をしてね。明日でもいいかと思ったんだがやっぱり気にな るんで一走り行って来てくれないか」

「分かりました。じゃあ今から行って来ますね。あ」

「ヒロ達には言っとくよ」

「はい」



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