Love Story's+α



「俺は彼女と結婚します。今日」

えっ?

き、今日って?

私…何にも聞いてないよ。

『キャ~おめでとう』

『ヒロ~やったな!』

『幸せにね~』

祝福の声援と拍手の嵐

「ありがとう。ありがとう、みんな!俺 …最高に嬉しいです」

ヒロの声がうわずっている。

「今日は俺達がメジャーデビューして一周年。そして今日は25年ぶりに観測出来 た金環日食の日、そう25年前って言えば俺が彼女が生まれた年です。だから今日 と言う日に結婚します。本当はみんなからの祝福なんてもらえないのも覚悟して いた」

『そんなことないわよ~』

『ヒロ~幸せにね~』

『彼女を幸せにしてやれよ』

祝福の声が会場のあちこちから。

「ありがとう!本当にありがとう!」

会場がまた静かに

「実は彼女は今日のこと…結婚のことは何にも知りません。俺とメンバーが仕掛 けたサプライズです。この会場の隅で今たぶん目をまん丸にしながら赤くなった り青くなったりしてると思います」

そこで言葉を切り一瞬袖にいる私を見つめて再び

「此処でみんなに宣言したからな。俺達は幸せになる義務があるんだから…今日 …結婚しろよ」

『ワァ~』

『キャ~』

拍手喝采

その時…

「1、2、1 2 3 4」

ドラムの嵐がカウント

「最後にこの俺達とみんなを繋いでくれた曲をみんなで!歌ってくれ!!」

『G'power』のデビュー曲が始まった。

この時

ステージと観客席がスタッフが一体となった。



< 262 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop