Love Story's+α
なぁ、童話の眠り姫は王子のキスで目覚めるんだよな。
なのに…何で君は目覚めない?
この一年朝晩キスをしているのに。
「君のことが、嫌いだ」
思わず呟いてみる。
なぁ、前みたいに
「ば~か!私だって貴方が嫌い」
って歯向かってこいよ。
そして
「嘘だよ」
って俺が言うからニヤッと笑って
「私もだよ」
って抱きついてこいよ。
君は知らないだろうけどあの君の誕生日、俺はプロポーズするつもりだったんだぞ。
なけなしの金をはたいてダイヤの指輪も買ったのに。
その指輪はまだ俺の手に。
早く目覚めてこの指輪をはめてくれ。
な。
「また明日な」
君の唇にキスをして
「ばいばい」
部屋を出て家路へ。
君は飽き性だからいい加減眠るのにも飽きる頃だろう。
明日には
「おはよう」
とあの笑顔で俺を迎えてくれるよな。
俺の眠り姫
*END*
【800文字で三題噺:「おはよう」「ばいばい」「君のこと、嫌いだ」】