Love Story's+α



子供の頃に関西弁でからかわれて虐めに。


「悔しかったら標準語を喋ってみろ」





コイツは負けず嫌いで今では綺麗な標準語


ただし俺の前では関西弁


「あんただけや。あの時に庇ってくれたんは『東京に住んで標準語話してるのがそんなに偉いのか』って」


そんなこともあったな。


涙を堪えて唇噛み締めてたコイツに


「唇噛んだら口笛吹けなくなるよ」


なんてワケわかんないこと言ったりして。


「口笛吹けんの?吹いて」


「上を向いて歩こう」を吹いたら目を輝かせ


「凄いな。私にも教えて」


それからの付き合い。


どうしても標準語話して見返すからそれも教えろと。


「関西弁でいいじゃない」


「いやや!馬鹿にされたまま引っ込んでられへん」


その迫力に負けて教えて。


でも


「二人の時は関西弁でいいからな」


「うん。ありがとう」


ニコッと笑った顔が可愛くて


一目惚れってあるんだって子供心に。



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