狼さんとの付き合い方
「海牙…?」



俺はハッとする。

バカじゃねぇの、俺。


これで瑠樹の為に泣ける茜を落とせる訳ないし、第一これで落ちたとしても…



何か俺が嫌だ。



「海牙、か、顔近い…」

俺はまたハッとする。



「あ、ぅ、ごめんっ!」


無意識に顔が赤くなった。
茜と同時に、顔を離す。

「ぶふっ…あは、あはははははっ」


「凄いねっ…今、同じ…あははははっ」



目が赤いままでも、目を細めて笑った茜を見た瞬間、俺は確信した。



瑠樹なんかに、茜をやるのはもったいない。


何があっても、瑠樹から取ってやる。





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