狼さんとの付き合い方
海牙は口を歪めている。


「…灯夜さん、俺失恋したんです」


「うん」


「俺の好きな奴は、別の人間を見ていました」


「うん」


「俺もうどうしたらいいか」



…こいつは、いつもそうだったと思う。


キス魔で女好きなくせに、フラれるととてつもなく落ち込む。

泣く事は少ないけれど、周囲からドン引かれるくらい落ち込むのだった。



…けれど、俺は悟る。

こいつはまだ諦めていない。



こんぐらい泣くって事は、かなり本気だ。


俺は海牙の肩に手を起き、教室へ向かった。




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