図書室で・・・
「昨日、好きって言われたときめちゃめちゃうれしかったです。でも、どうせ過去の話をしなくちゃならなくなるから・・・・・・
先輩に悲しい思いしちゃうかもしれないから・・・・。」
涙があとからあとから頬を伝う。
「・・・・自分のこともっと大事にしなよ。」
ぼそっと聞こえた先輩の声は真剣なものだった。
「・・・・工実の過去なんて俺は気にしないし、別に話さなくてもよかったのに。
俺は、それでも工実のことが好きだよ。」
「・・・先輩」
「俺と付き合って。工実。
兄貴のこと今すぐ忘れろとか言わないし、俺のこと今すぐ好きになってなんか言わないから。
付き合ってくれない?・・・工実。」
さらに強く抱きしめられた私の頭の中には
この言葉しか浮かんでこなかった。
「・・・・はい」