tube



髪の毛をぐちゃぐちゃにかき回しながら机に俯せになっているとノックの音が聞こえた


「はいっ」

と答えると同時に開く扉に来た人はすぐにわかる

それと同時に全く出来ていない曲たちに焦りを覚える


「お疲れ様です、晃さん」

「お疲れ」

なんて、欠伸をしながら入ってくるから
曲の催促で、脅しに来たわけではないのかと冷静になった

「真矢、何かあった?」

入ってきて早々に聞かれたその言葉に驚く


「え?何でですか?
 何も無いですよ」

平然を装いながら答えると
答えた瞬間に曲が出来てないからかと察した

「あっ、曲出来てないからですよね、すいません」

と広げたまだ真っ白の楽譜を見て謝る


「いやっ、それはまだ大丈夫だけど

 メール変だったから」




< 117 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop