黄色いスパイク
雨色の放課後
~バレンタイン当日~
前日に、狭山くんの下駄箱に手紙を入れておいて、部活が終わったあと、教室に来てもらうことになった
「ききききっ紀伊ちゃん…どどどう…どぅうしよぉぉおお~!!!」
ううぅ!緊張するっ!!
今日は朝から落ち着かず、もう5回もトイレに行った程だ
「頑張れ!美冬~!!」
紀伊ちゃんの声援に私は苦笑いで頷いた
緊張と、恥ずかしさもあるんだけど…
受けとってもらえなかったらとか
狭山くんには好きな人がいるとか
そんな事が頭から離れないよ…
ううん!ダメダメ!!
チョコだけでも渡さなきゃ!!
時計を見ると、部活が終わるまで、後10分だった。
あと、10分で…
狭山くんがこの教室にくるんだ…
狭山くんにチョコを渡すんだ…
私は昨日から考えたセリフを頭の中で何度も何度も繰り返した
‐ガラガラッ‐