黄色いスパイク
「佐山くん、毎日教室に来てるよ…」
なんで…
なんで、そんな…
「こわいよ…」
「美冬、大丈夫だよ…」
「紀伊ちゃん…」
私は紀伊ちゃんと教室へと、向かった
早めに来たせいで、廊下は驚く程静かだった
時々、グラウンドから聞こえる朝練をしているサッカー部の声が聞こえてきた
佐山くんも…
いるのかな??
「美冬!!」
紀伊ちゃんが私の腕を引っ張った
「…」
私は紀伊ちゃん手をぎゅっと握った
「今宮…!」
「狭山くん...」
紀伊ちゃんはコッチをチラチラ見ながら教室に入った
大丈夫
紀伊ちゃんが教えてくれたもん
踏み出す勇気の大切さを
こわいけど…
逃げちゃダメだ…!