ここから君に。
「おーい、席付けー。授業始めるぞ。」
そうこうしている間に2限目の担当の先生が黒板の前に立った。
「出欠確認だ。皆いるかー?」
先生の一声で皆は周りを確かめた。
「はい。吉田ハル君と、小林広斗君がいません。」
周りを見ると確かに裕子の前の席と、窓側の一番後ろの席が空いていた。
「ハァ、またあの二人か。」
先生がため息をついたのと同時に、教室に入ってきた男の子二人。
「すんません。遅くなりました。小林います。」
小林と名乗った男の子は、髪は茶色で耳にはたくさんのピアス。
チャラそうな雰囲気の人だ。
一歩遅れて入ってきた人は、吉田ハル君…かな。
さっき、そう言ってたもんね。
吉田君も茶色の髪でメガネをかけててクールっぽいイメージがある。
「…すんません。」とだけ言って自分の席がある窓側の後ろに歩いて行ってしまった。
二人ともイケメンなんだと思う。
こんなに顔がキレイな男の人はあまりいないんじゃないかと思った。
女の子はみんな彼等に釘付けだ。まぁ、仕方のないことだよね。
私には関係ないけど。
先生は「今回だけは遅刻にはしないが、以後気をつけるように。」とだけ言って授業を進めた。