流し目小町
「女の世界にすっかりはまってしまった者がいてな。」

「性転換して本当に女性の道に進んでしまったんだ。」

「それって…誰の事?」

「長唄の小梅さん。」

「えええええええ! 小梅さんって本当は男だったの???」

「そう。まあいずれにせよ

簡単ではないということが理解できたか?」

「うん、まあ…ね。」

「明日付き人の島さんにいろいろ説明きいて

準備を進めておく様に。」

正直びっくりついでに押し切られた感じが

しなくはなかったが、

動き始めた事に逆らっても仕方がない。


まあ、イヤなら都合よく歌舞伎の世界から

エスケープするさ。
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