流し目小町
「篠原女子中学…ってこれ、女子校じゃん。」

「そうだ。お前は4月から1年間女子校にいってもらう。」

「はあ?」

「まあ、真一郎、聞きなさい。」

大叔父が話し始めた。

「私たち御川家にも十八番があるのはしっておろう。」

「はい。」

「雷乃丞といえば、ずばり何だ?」

「女形です。」

そう雷乃丞の得意演目には女形が多い。

雷乃丞=女形ということで父も女性ファンから

絶大な支持をうけていた。

「そう。わたしたちは女性を演じる。

ゆえに女性の内面を本当の意味で知る必要がある。」
< 8 / 12 >

この作品をシェア

pagetop