三日月ギター
…見なかったことにしよう。うん。
その方が面倒なことに巻き込まれないで済むし、何より私は今から学校に行かねばいかん。
よし。
しかし自分の中の言い訳を並べても、私の足は一向に動こうとしなくて焦る。
動け私の足!今からでも遅くない早くこの場から立ち去らなければ大変なことになる!まず警察が来て任意同行を要求され断れば業務執行妨害で前科一犯!!(偏見)
……、ひじょうにまずい。
顔を青くして、おろおろしていた私は足元の王子が目を覚ましていることに気づかなかった。
「…る、か、…?」
起きた。
逃げるか助けるか二つに一つ。
振り向くと、不覚にも蒼い目と合ってしまった。