僕の伯父さんの都市伝説
露天風呂のお話 其ノ壹
はたしてこのお話は

書いてもいいものかと

思うんです。


何故ならばここ十年の間に

伯父さんはブログに

興味を持ちだして

あちらこちらに

ブログを立ち上げては

体験談を書いていました。


だからもしかしたら

読まれた方も

いらっしゃるかも知れません。


おまけに伯父さんは

音楽などは到底興味がなく

もっぱら聴いているのは

落語か稲川淳二さんの怪談CDで、

いつも聴いてはこう言っています。

「淳二サイコ~」


だから本人はオリジナルを

稲川淳二さんの口調を真似て

書いたつもりらしいのですが

僕が読んでもお世辞に

いい出来だとは言えません。


かと言って僕に文才が

あるわけでも無いので

上手く書けるかは

わかりませんが

頑張ってみます。


伯父さんの話によると

この話はもう三十年近く前の

お話だそうです。

その頃も今も伯父さんの

趣味はカメラです。

大学の夏休みとか

社会人になっても

長期の休みになると

リュツクサック背負って

首から愛用のNikonをぶら下げて

日本の彼方此方を

歩き回っていたんだそうです。

今じゃもう出来ない・・・

若さゆえの勝手気ままな一人旅。

そんな風に僕に話してくれました。


「その頃、僕は石仏に興味持ってね」

「そう、よく町はずれとか村の

外れに立っているあのお地蔵さん」

「それが長野県の方に多いってんで

出かけたんだよ」

当時、伯父さんはM市から

電車に乗って終点まで行って

そこからバスに乗り換えて

有名な観光地まで行くルートを

一人で辿っていたそうです。


その内に何を思ったのか

伯父さん途中でバス降りちゃって

まあ夏でしたから

同じような登山スタイルの

グループも多かったし

歩きながらのスナップ撮影も

したかったから若かりし伯父さんには

別に苦にはなんなかったそうです。


旅は道連れでも無いですが

登山が好きそうな老夫婦から

頼まれて写真撮ってあげたりして

結構いい感じで歩いていたんです。

でも、その内に日が落ちてきて

今夜の宿を決めないといけなく

なってきちゃったんです。
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