聖石戦隊 キラレンジャー
哲平は地に足つけると、悪魔がいた場所を睨む。

「力を復活させ、勢いづいたようですね。仕方ないので今日はこの辺にしておきましょう。
しかし次は必ず貴方たちのパワーストーンを頂きます」

どこからか声が響いた。

逃がしてしまった。

悔しさを覚えたが、しかし同時に自分の運命の大きさも感じた。敵のことは何も分からない。
世界を守るとか、できるのか。

拳を握り、じっと見つめる。

そこに悠月が手を重ねてきた。

「やったね、なんとかなったね。この調子で悪者なんかやっつけちゃおう!」

ふうとため息をついた。

「ああ、俺たちが守るんだ。俺たちの世界を」

逆の手で胸を押さえる。

正義のヒーロー、キラレンジャーの誕生だ。


「いっぱいがんばったらお腹すいちゃった。
たい焼きおかわりしよ!」

緊張感の欠けらもない。

悠月と一緒にいて、悩むのは無理だと確認すると、可笑しな気持ちになってくる。

そういえば、腹、減ったな。

「またお前りんごなんとか食うのか? 胃が悪くなるぞ」

「んー、じゃあバナナデラックスにしようかな」





< 10 / 153 >

この作品をシェア

pagetop