聖石戦隊 キラレンジャー
大学内の雰囲気もがらっと変わっており、頭にあるそれまでの構図は役に立たなそうだ。

まず基本的に艮はやめておいたほうがいいわね。

とりあえず闇が最も薄い方角を目指す。

悪魔の言う通り、長くいると生気を奪われてしまいそうだ。だんだん苦しくなってくる。

曲がり角を挟んで、足音が聞こえた。春風は静かに止まって身を潜める。

ここで元気に動き回れるなんて、敵しかいない。

ぎりぎりまで近付けて・・・勢いよく足を蹴り出す!

「うわあ!」

と、派手に音を立てて転んだのは哲平だった。

「だいじょーぶー、哲平くん? あ、春風ちゃん!」

「みなさんどうしてここに!?」

春風は座り込んだまま両手を口に当てる。

「ちょうど駅に集まったころ、陸が大学のほうから悪魔の気を感じてさ」

健介は腰をさする哲平に手を差し伸べて言った。

「いてて・・・春風もずいぶん凶暴になったな。とりあえず出口はすぐそこだ、行こうぜ」

「ごめんなさいね哲平さん」

五人は再び駆け出す。

ところが、入ってきた場所は塞がれていた。

「あれえ、ここ外につながってたのにー?」

「閉じ込められたか・・・」

陸が舌打ちする。

「でも落ち込んでる時間はありません、別の道を探さないと。
今度は闇の強いほうへ行ってみます。悪魔がいるか、または手掛かりがあるかもしれません」




< 110 / 153 >

この作品をシェア

pagetop