聖石戦隊 キラレンジャー
闇が悠月を掠めようとした間一髪、誰かが覆いかぶさってきて、そのままふたりで横に転がったのが分かった。

はっとして確認する。

「大丈夫か?」

実際クッションになってくれたので悠月は無傷だった。

「・・・蒼井くん?」

「東が正義のヒーローやってるってのは噂で聞いてたけど・・・本当だったんだ。なんで戦わないんだ」

蒼井健介-あおい けんすけ-。

クラスも違うし、ほとんど面識がない。

サッカー部の応援に行ったとき、よくトップを任されているので名前を知っている。
面倒見が良さそうな感じではあった。

「んー、変身の呪文忘れちゃって」

「はぁ?」

はにかむ悠月に、健介は困ったようだ。

「私は標的がひとりでもふたりでも、構いませんよ」

表情を変えずにデモゴルゴンは再び闇を放った。

健介が、悠月を抱えたまま盾になる。背中で攻撃を受けているがとても辛そうだ、呻き声が漏れる。

悠月は彼の制服をぎゅっと掴む。

胸のあたり、神様助けて!

すると、光が溢れる。

「これ、蒼井くん、パワーストーン・・・」

「え・・・?」



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