雨女☆晴れ男

「あのさ、やめてほしいことがあるんだけど」

「…なっなにを?」

「星野くんに色目使ってるでしょ」

「えっ…?」

色目なんて使った覚えないから
ていうか、向こうが勝手に近付いてきてるんだし。

…なんて言えるはずがない。
言った所で信じてもらえるわけじゃないし。面倒な事になるだけだし。

「あんたみたいな雨女が恋していい人じゃないんだよ」

「次そんな事したら、ただじゃすまさないから」

「えっ…でもあたしは何も…」

「うわーー。何もしてないとか嘘ついてるよ。今日なんかずっと星野くんのこと見つめてたくせに」

みつめ…てた!?

「なに自分で驚いてんの?」

「休み時間中ずっとみてたじゃない」

そうだったんだ…
それはたぶん『恋』ではない。てか絶対。
ただ謝るチャンスをうかがってただけ。

「それは違「言い訳する気?」

「言い訳なんかじゃない。あたしはただ、謝らなきゃって思ってただけ。そのチャンスをうかがってただけなの」

「だーかーらー。言い訳すんなって言ってんの。好きなんでしょ?」

やっぱり信じてもらえなかった。
この人たち、最初から信じるつもりなさそうだったし。

「言い訳なんかして「ちょっとーなにしてんの?」

「何って…!!」

みんなが硬直していた。

だって…

「雫ちゃんと何の話してるの?」

晴太くんが来てしまったから。