雨女☆晴れ男
「もしかして、意識しちゃってる?」
帰り途中に突然言われた。
「えっ!?あっ…」
声が裏返った。
「図星みたいだね(笑)」
からかうように笑う。
「そっそりゃあ意識くらいする…もん。雨の日に、しかも相合傘で誰かと帰ったことなんてないもん」
ちょっと頬を膨らませながら言う。
なんて子供みたいなことを…
「…」
何も返してこない晴太くん。
気になって晴太くんの方を見ると、少し頬あたりが赤らんでいた。
「せっ晴太くん!?えっ?なに?あたしなんか変な事言った!?」
晴太くんが絶句してるところなんて見たことなかったから、変な事を言ってしまったんじゃないかと不安になる。
焦ってわたわたし始めたあたしは不審者みたい。
「えっとその…あの「雫ちゃん!!Σぎゅっ
「にゃっ!?」
突然の抱擁におかしな声が出た。
「…雫ちゃんかわいすぎだからっっっ」
「えっ?せっ晴太くん?」
あたしは意味が分からずはてなマークが浮かんでいた。
「今のは反則だよ…」
そう言って離してくれない。
「…濡れちゃうよ?」
「いいの。今はこうしていたい」
「…でも風邪ひいちゃうよ?」
「そしたら雫ちゃんに看病してもらうからいい」
「えっ…」
「…ダメなの?」
うるっとした瞳で問いかける。
「ダメじゃない…けど、みんなに心配かけちゃうよ?」
晴太くんはあたしと違って人気者だから…
「心配させときゃいいよ」
…もう何を言っても無駄そうだ。