雨女☆晴れ男
「雫ちゃん…」

そんな申し訳なさそうな顔しないでよ。
晴太くんはなにも悪くないから…

そう言いたいのに、上手く言えなくて、言葉にならない声が響く。

こんなはずじゃなかったのに。
普通にお見舞いしたかっただけなのに…

「晴太…くん。ひっく…あの…ね?あたし…ひく…」

言わなきゃ…言わなきゃ…

「言わなくていいよ、わかってるから」

「晴太くん…」

やっぱり晴太くんは優しい。

「ホントはさ、…こうして」
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