雨女☆晴れ男
30分後…



「…お待ちどうさま」

作りたてのお粥を出した。
お椀とスプーンを添えて。

「美味しそう」

瞳をキラキラさせながら言う。
小っちゃい子みたいに。
…かわいい。

…かわいい!?
あたしってば、晴太くんのことかわいいって///
一人赤面する。

「あっ熱いから、ヤケドに気を付けてね」

晴太くんを見ながら言えなくて、お粥を見ながら言った。

「…雫ちゃん」

「ふぇ?」

ドキドキして声が裏返った。

「ふふっ…。雫ちゃん、もう一つお願い聞いてくれる?」

「…うん、いいけど」

もう一つお願いって…なんだろ?

「このお粥、俺に食べさせてくれる?」

「…えっ!?///」

もう一つのお願いって…えぇ!?
ドキドキが加速する。
…あたしが、晴太くんに、食べさせるってことだよね///

「雫ちゃん、顔赤いよ」

嬉しそうに言う晴太くん。

「だっだって…///」

「なんでも、聞いてくれるんでしょ?」

「えっあっ…」

なにも言えない。
だって自分でそう言ったから…

「雫ちゃん?」

「やっやるよ///」

そう言ってお椀にお粥をいれた。
スプーンですくって…

「ふー…ふー…」

ふーふーした。

「はっはい///…」

晴太くんの口にお粥を…///
今にも心臓が爆発しそう///

「…うまっ。雫ちゃん、いいお嫁さんになるよ」

いつもの眩しい笑顔で言う。
あたしには数百倍に見える。

「ふふっ…雫ちゃん、お粥ちょーだい」

「あっ…うん。ふー…ふー…はっはい」

「ぱくっ)美味し…」



いちいち『美味しい』って言ってくれなくていいのに。
…だって、言われるたびに、ドキドキするじゃん///


「…そんな困ったように見つめて。ふふっ」

「えっ?」

「いじわるし過ぎちゃったね。ありがと、あとは自分で食べるよ」

そう言ってお椀とスプーンを取った。
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