黒縁メガネ男子に恋してる
校門前の横断歩道は赤信号。
そこで、智哉は、あたしの手を離した。
あっ……。
ヤダ、あたし、ちょっとさびしいと思ってる?
でも、深く考える前に、信号が青に。
あたしと智哉は、走って信号を渡り、息を切らせて先生と雄太の前に立つ。
「よし、1組10班。
12時16分到着。
教室に戻っていいぞー」
間に合った!
ほっとして、ハァハァ息を整えていると。
「おせーぞ、おまえら。
15分の約束だろ?」
雄太が、智哉とあたしを交互に見て、キレ気味に文句を言った。